事件

京都の保津川下りで船座礁事故?事故の原因や被害状況について調査

2023年3月28日に京都府亀岡市の保津川(桂川)で「船座礁事故」が発生しました。

400年以上の歴史を誇る、保津川下りで今回の事件が発生してしまいました。

今回の記事では、事故の原因と被害状況について調査していきます。

保津川下りの船座礁事故の現場状況

28日午前11時半ごろ、京都府亀岡市の保津川(桂川)で、川下りの舟が座礁したと119番があった。

舟は転覆し、子ども3人を含む乗客25人と船頭4人が川に投げ出され、船頭の50代男性が死亡

別の船頭の40代男性の行方が分からなくなっており、京都市消防局などが下流で捜索している。

船頭が操船を誤って岩に衝突したとみられ、府警亀岡署が詳しい事故原因を調べている。運航は当面中止される見通し。

毎日新聞

現場状況の写真を見ると、白くなっている部分(波立っている)が多く見られるのがわかると思います。

事故が起きた場所は、激流ポイントとして知られている場所でした。

そのため、船頭たちもかなり気をつけていたと思いますが、今回の事件が起きてしまいました。

保津川下りの船座礁事故の被害状況

船頭1名が死亡
船頭1名は行方不明
乗客25名は軽傷がいるも、死亡の速報はなし。

亡くなったのは田中三郎さん(51)。消防局などによると、田中さんは川に転落した後、助け出されたが搬送先の病院で死亡した。操船歴19年のベテランだったという。

また、乗客のうち女性9人(10~50代)が低体温症などで病院に運ばれたが、いずれも軽症とみられる。

毎日新聞

船頭の1名が死亡。別の船頭が行方不明となっています。

乗客については、いずれも軽傷の症状となっているため、死亡するリスクは低いでしょう。

到着箇所まで乗客を無事に届ける船頭たちが、亡くなってしまう悲しい事故となっています。

保津川下りで舟座礁事故の原因は?

組合の豊田知八代表理事によると、船尾にいた船頭が、かじが水を捉えられず空振りする「空舵(からかじ)」と呼ばれるミスでバランスを崩し川に転落したという。

前方の船頭男性が方向操作を保つためにかじを取りに行ったが間に合わず、急流を抜けた先の岩に正面から衝突。

舟は転覆し、乗っていた乗客・船頭全員が川に投げ出されたという。

亡くなった田中さんは船首でさおを持って舟を操る役割で、豊田代表理事は「(衝突を防ぐため)正面の岩に対してさおを差そうとしたのではないか」と話す。

毎日新聞

激流ポイントとなっている箇所なので、バランスを取るのも困難であったことが想像できるでしょう。

船頭の田中さんは操船歴19年の大ベテランなので、技量に問題があったとは言えないでしょう。

豊田代表理事の発言にあるように「船のバランスを取る行動」をした可能性が非常に高いです。

自然の川を下るため、ベテランの船頭たちでも予期できない状況に陥ったと考えられます。

過去にも同じ事故はあったか?

・1998年4月
船が岩に衝突し浸水。乗客は全員無事。
・1998年11月
船が岩に接触して座礁。乗客は全員無事。
・2001年9月
船が岩に接触して座礁。乗客は全員無事、船頭が1名軽傷
・2006年8月
付近の崖から船に落石。乗客3人が重症
・2015年8月
乗客が川に転落し死亡。他の乗客は無事

過去にも5件ほど事故が発生しており、類似の事故は3件となります。

1998年の2件と2001年9月の1件ですが、当時は死亡者0名となっています。

今回の船座礁事故では死亡者と行方不明者がでているため、過去一番の被害だと言えます。

今後の対策はどうする?

救命胴衣を着用するのは当然だが、その中でも「ベスト式」を選ぶのが望ましい。

手動で膨らませる腰巻きタイプでは、冷たい水に落ちると手が動かなくなり、膨らませるのが難しくなる。

京都新聞

一部の専門家から意見が出始めていますが、これから詳細な事故調査と今後の対策が検討されます。

今回と同じような悲しい事故が起こらないように、しっかりと対策できことを願っています。