霧と煙と湯の牧村

清水しみず

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希望世界の清水PAは山間に存在する霧深い場所である。

霧のおかげで隠れ住むには最適で、代わりに過ごしにくい場所になっている。それでも人々がこの地から離れないのは、この世に楽園などないと固く信じている部分があるためである。

いつも雨に濡れたような場所であり、湿気対策で暖房はよく使われる。暖房は囲炉裏であり、生活の中心に囲炉裏がある。

建物も煙路を十分に、それでいて雨水が侵入したりしないように考えて作ってあり、窓は外から見てそれとわからないような形になっている。火を最大限利用しようと、食料の燻製だの木材の乾燥だの竹を燻すだのあらゆる用途で使っている。むしろそうしないと、すぐにダメになってしまう。食料は腐り、木材は燃料の役に立たなくなり、天井にも穴が開く。

この地は煤で汚れることがおおいことから風呂が普及しており、囲炉裏があることもあって日本を強く意識させるようになっている。もっとも、日本と違って主たる産業は牧畜で、雨よけの羊の毛のコートとつばの広い帽子は、この地のトレードマークになっている。

日本の場合獣食が長いこと嫌われていたのと獣食をしないでもいい農作物としての米があったのでああなったのだが、この地では米や茶がないために他の霧深い地域と同様に牧畜が主力事業になっている。病気などに強いヤギ類、羊類が主で、豚、牛はほとんど見られない。