音色木霊す断崖絶壁

浜松はままつ

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妙義山のような奇岩の並ぶこの地域は、かつて魔法によって地面が隆起し、破滅的な損害が発生した場所である。人が住めるような環境ではないのだが、かえってそのせいで大勢の人が生き残った。二次以降の攻撃や掃討作戦が行われなかったためである。

この地には断崖絶壁に木で足場を作って人々が住んでいる。道の細さと高さは絶望的ですらあり、知らぬものにとっては人間が住んでいるなど、まったく思いもよらない。炊事の煙くらいでしかその痕跡は見つからぬであろう。

岩をくり抜いて作られたスペースも少々あるが、これらは共用スペース、集会場になっており、個人のスペースは山の側面、断崖絶壁である。ここに 丸太を30cmおきに岩に突き刺して、上に板を通して足場を作って立体都市を作っている。建物の平均的な幅は2mほど。それ以上貼り出すと、足場が壊れる。

この地は猿のようにすばしっこくないと、生活に支障が出る。そもそも食料も豊かでないので皆小柄だ。近寄って話しかけるのが大変難儀な土地のため、遠くから見て職業や個人が特定できるような色鮮やかで派手な模様が発展し、また楽器や歌で遠くの人々とのやりとりを行うことが一般化した。

そう、その断崖の人々は音楽の使い手である。楽器作りも盛んである。

近年人口増に食料供給が追いつかず、移民や貿易の必要を得て目となる旅人をあちこちに送ろうとしている。